北京五輪で2大会連続平泳ぎ2冠に輝いた北島康介(26=日本コカ・コーラ)が、同五輪以来約10カ月ぶりに本格練習を再開し、年内のレース復帰を計画していることが19日、分かった。現在、生活拠点としている米ロサンゼルスの南カリフォルニア大で、北京五輪女子200メートル平泳ぎ優勝のレベッカ・ソニ(米国)らを育てたデーブ・サロ・コーチに6月末から師事している。12年ロンドン五輪を目指すかは未定だが、来夏のパンパシフィック選手権での日本代表復帰が当面の目標とみられる。

 北島がついに始動した。北京五輪以降、本格的な練習を行っていなかったが、6月末から南カリフォルニア大競泳ヘッドコーチのサロ氏の指導を受け始めた。北京五輪ではソニと男子1500メートル自由形のメルーリ(チュニジア)を金メダルに導いた名将から、全面支援の約束を取り付けた。北京五輪男子400メートル自由形金メダリストの朴泰桓(韓国)も同大のプールを拠点に練習。世界トップ級の選手が集結する環境を再起の場に選んだ。

 関係者は「年内にレース復帰の予定」と明かした。北京五輪後の北島は目標が定まらず、軽めの練習しか行っていなかった。4月にロサンゼルスに生活拠点を移したころから「もう1度日の丸をつけて戦いたい」と話すようになったという。関係者は「野球のWBCや競泳の日本選手権を観戦する中で、世界と戦いたい気持ちが強くなったようです」と振り返った。

 ロサンゼルスでは当初、市民プールで定期的に練習していた。だが一般利用客と一緒で、納得のいく練習ではなかった。そんな時に南カリフォルニア大で、日本代表の元同僚・佐野秀匡が練習していると知った。佐野を介して同大での練習を希望。サロ氏は快諾し、幼少から指導を受けてきた日本代表の平井ヘッドコーチも了承した。1日2~3時間、5000~6000メートルほどの泳ぎ込みで体力回復に努め始めた。

 復帰レースは10月から世界各国で行われるW杯や、12月の全米短水路選手権などが候補だ。来春の日本選手権に照準を合わせ、来夏のパンパシフィック選手権での代表返り咲きを狙っているようだ。ただし12年ロンドン五輪については、まだ分からない。今後の復調ぶりを見て、慎重に検討していく姿勢だ。