<女子テニス:韓国オープン>◇26日◇ソウル

 世界155位のクルム伊達公子(38=エステティックTBC)が、96年東芝クラシック以来13年ぶりにツアーで、シングルス決勝に進出した。同54位で大会連覇を狙ったマリア・キリレンコ(22=ロシア)に3-6、6-2、6-4で逆転勝ちした。決勝では先週の1回戦で敗れた同23位のメディナガリゲス(27)と対戦する。38歳11カ月での優勝は、68年オープン化(プロ解禁)以降、83年英国バーミンガム大会に39歳7カ月で優勝したキング夫人(米国)に次ぐ2番目の年長Vとなる。

 クルム伊達の勢いが止まらない。準々決勝で元世界5位のハンチュコバ、この日は前年度覇者のキリレンコまで撃破した。13年ぶりの決勝進出にも「序盤は体が少し重かったけど、集中力を維持することだけを考えた」と、元世界4位の実力を見せつけた。

 第1セットは落としたが、第2セットは緩急をつけたり、コースをついたベテランらしいショットで16歳年下を振り回した。最終セットも一気に5ゲームを連取。5-4まで追いつかれたが、最後は2度目のマッチポイントで振り切った。

 昨年5月に復帰して、ツアー下部大会で4度の優勝。昨年の全日本も16年ぶりに制した。しかし、ツアーは11大会挑戦しながら、本戦で1度も勝てなかった。それが今大会1回戦、夫のクルムの前で復帰後初勝利を挙げると、あっという間に決勝まで快進撃だ。

 今年は、全仏、ウィンブルドン、全米など、両足のけいれんで勝ちを逃してきた。全米後、原因を徹底的に解明し、特別なドリンクを調合。その成果が出たのか、今大会2回戦ではマッチポイントをはね返した。準々決勝、準決勝も1セットを落としてからの逆転勝ち。28日に39歳の誕生日を迎えるとは思えない超人ぶりが復活だ。

 キング夫人には及ばないが、優勝すれば、ナブラチロワの37歳、エバートの33歳など、偉大な選手らを超える2番目の年長での優勝となる。初戦後に「昨年、初めて(ツアーに)トライした東レから約1年。本当に長かった!」とブログにつづった。13年間、眠っていた獅子が、ついに目覚める時が来た。