<全国高校駅伝男子>◇20日◇京都・西京極陸上競技場発着(7区間42・195キロ)◇58校

 第60回記念大会の男子は、青森山田が都大路のチームベストになる2時間4分39秒で3位に食い込み、青森県勢初の表彰台に立った。1区のエース田村優宝主将(3年)が区間4位で流れを作り、3区のケニア人留学生マイケル・ギチンジ(2年)で3位に浮上。トラック勝負で西脇工(近畿・兵庫)に2秒差で敗れ、準優勝こそ逃したものの、粘りの走りでチームの歴史を塗り替えた。

 古都・京都で、15年連続16度目出場の青森山田が新たな歴史を築き上げた。1年生アンカー山本新が残り約150メートルでかわされたが、二階堂勉監督(64)は「最低でもメダル獲得という目標は達成できた。青森の人たちに感動してもらえたと思う」と選手たちの健闘をたたえた。

 1年生からレギュラーの田村が優勝した世羅(広島)に1秒先着してタスキをつないだ。前日19日に18歳の誕生日を迎えた田村は「アンカーが1年生だったので1秒でも速く走りたかった。貯金を作れなかったのは(前の)6人の責任。(2時間)3分台を目標にしていたので悔しさが8割、うれしさが2割。でも競技人生でいい経験ができました」と主将らしく振り返った。

 就任11年目の二階堂監督にとっても、仙台育英を初優勝と準優勝に導いた93、94年に続く表彰台ゲット。まだ暗い午前5時30分からの早朝練習では、八甲田山近くの山道を車のヘッドライトで照らしながら走らせ、積雪で練習が限られる冬場は、選手同士にボクシングをさせて体力と闘争心をはぐくませた。

 長期計画も実った。1年生からレギュラーの3年生3人を1、4、6区に配置。昨年からのレギュラー5人の経験値を生かして今季東北王者の貫ろくを示した。現3年生たちは毎年チーム記録を更新し、07年8位、昨年は県勢タイ記録の6位。そして高校生活最後のの年を有終の美で飾った。

 二階堂監督は「1回メダルを取ればもっと上の目標ができる。もっと強いチームを作って来年もいいレースをさせられるようにしたい」とさらなる挑戦を誓った。【佐々木雄高】