<東京マラソン>◇2月28日◇東京都庁前-東京ビッグサイト(42・195キロ)◇出場=フルマラソンの部3万2080人、10キロの部2948人、ほか車いすの部など◇雨、気温5・0度、湿度84%(午前9時10分スタート時)

 男子は藤原正和(28=ホンダ)が2時間12分19秒で初優勝した。国内主要3大マラソンでの日本人連敗記録を15で止めた。ラストスパート勝負で、09年世界選手権6位の佐藤敦之らを振り切った。中大4年だった03年3月のびわ湖毎日マラソンで初マラソン日本最高記録を打ち立てて以降低迷が続いたが、ロンドン五輪に向けて復活の兆しを見せた。女子はアレフティナ・ビクティミロワ(ロシア)が優勝した。

 40・2キロ地点、沿道に帽子を投げ捨てた藤原が、9人の先頭集団から飛び出した。2位とはわずか15秒差だが国内外の強豪から逃げ切った。東京(旧東京国際)、びわ湖毎日、福岡国際の国内男子3大マラソンでは05年東京国際の高岡寿成以来の日本人優勝者となった。「日本の不振をどうにかしたかった」。

 中大時代の03年に初マラソン日本最高記録をマークした。その実績で世界選手権(パリ)代表になったが、右足の腸けい靱帯(じんたい)痛で直前で欠場した。ホンダ入社後もケガに泣いた。05年にオーバートレーニングで肝機能数値が低下し、4カ月走れなくなった。この日の3度目マラソンで7年ぶりに復活した。

 男子は11月のアジア大会(中国・広州)代表選考も兼ねた今大会でアピールに成功。ロンドン五輪へ向け「2年後は競技者としても旬な時期。そこで結果を出すためのいいスタートが切れました」と笑った。