ラグビー日本代表の新監督に25日、現サントリー監督のエディー・ジョーンズ氏(51)が正式決定した。日本協会はW杯を指揮したジョン・カーワン氏(47)の後任人事を進めてジョーンズ氏やサントリーと交渉していたが、この日までに両者と合意。今日26日に就任会見を開くことになった。コーチには現A代表監督の薫田真広氏(46)が就任。ジョーンズ氏は来年3月のシーズン終了までサントリー監督に専念、代表監督就任は来年3月の日本選手権終了後になる。

 日本協会が新監督決定の期限とした12月末に滑り込むように、新監督が決まった。協会はカーワン氏の後任を選出するために、W杯後に「新体制検討会議」を発足。第1候補にジョーンズ氏をあげて、交渉を進めてきた。同氏はW杯直後から「話が来たら真剣に考えたい」と前向きな姿勢をみせており、日本協会の要請を受諾した模様。現在ジョーンズ氏が監督を務めるサントリー側もシーズン終了後の就任を容認した。

 日本代表を任せる指揮官として、ジョーンズ氏ほど適任はいない。母国オーストラリア代表監督として03年W杯準優勝、07年W杯は南アフリカの技術アドバイザーとして世界一に貢献した。検討会議が設定した条件「世界水準であること」にピタリと当てはまる。

 もう1つの条件「日本人の特性を生かす」も、ジョーンズ氏なら最適。09年にサントリーのGMに就任すると「日本人にあったラグビー」「日本人にしかできないラグビー」を念頭にチームを改革。監督兼任1年目の昨季、チームを日本選手権優勝に導いた。もともと母親も妻も日本人で大の親日家。「日本のラグビーは大きな可能性を秘めている」と、日本の潜在能力を認めている。

 日本代表監督として「日本人指導者を育てることも役割」と、ジョーンズ氏は話す。今日26日の会見には入閣する薫田氏も同席する予定だ。今年のW杯で1勝もできなかった日本。それでもジョーンズ氏は「日本には世界のトップ10に入る力がある」と言い切る。19年に日本開催されるW杯まで「長期的なビジョンに立たなければ」という新監督のもと、日本代表が「エディー・ジャパン」として新たなスタートを切る。

 ◆エディー・ジョーンズ

 1960年1月30日、オーストラリア・タスマニア島生まれ。現役時代はフッカー。引退後は教職に就き、のちに指導者へ転身。クラブチーム監督を経て、01年にオーストラリア代表監督に就任し、03年W杯は準優勝。07年W杯では南アフリカ代表の技術アドバイザーとして優勝に貢献。09年にサントリーGMに就任、10年に監督を兼任し、日本選手権優勝に導いた。