<水球:アジア選手権:日本4-6カザフスタン>◇3日目◇26日◇千葉県国際総合水泳場

 28年ぶりの五輪出場はならなかった。水球男子日本代表がカザフスタン代表に惜敗し、最終戦を待たずに2位以下が決定。1位に与えられる出場権を逃した。1点差を追った勝負どころで、主将の青柳勧(31=ブルボン柏崎)が絶好機を外すなど、決定力に欠けた。2、3位に権利がある世界最終予選(4月、カナダ)には参加しないため、84年ロサンゼルス大会以来の五輪出場は4年後までお預けとなった。女子代表も中国に6-18で敗れて五輪出場権を逃した。

 円陣を組み、皆の手を合わせて、思いを1つにして臨んだ1点差の最終ピリオド。カウンターからGKと1対1になった青柳のシュートが、GKのセーブ音とともにゴールを外れた。「私がチャンスをつぶした。頼ってきてくれたチームに応えることができなかったことが心残りです」。逆に残り3分で追加点を許し、勝負は決した。

 財政面から前回の北京五輪では予選には参加すらできず、8年越しの挑戦だった。2年間メンバーをほぼ固定し、青柳は「過去最強のチームです」と断言。昨年12月16日からはオーストラリアで35日間に及ぶ長期合宿。それでも、五輪には届かなかった。

 「1点の重みに泣いてきた水球人生。今回も…。うんざりですが、どう立て直すか。五輪出場まではやめられない」。夢は4年後まで先送り。残酷な現実に、ただぼうぜんと前を見つめるしかなかった。【阿部健吾】

 ◆順位決定方式

 勝ち点は勝利が2、引き分けが1、負けが0。2チームの勝ち点が並んだ場合は、当該チーム同士の対戦成績で順位が決まる。3チームの勝ち点が並んだ場合は、当該チーム間の勝ち点、得失点差、総得点の順に決める。日本がカザフスタンに負けたため、最終戦を待たずにカザフスタンの1位が確定。日本が最終戦の中国戦に勝ち、カザフスタンがクウェートに負けて2勝1敗で並んだ場合でも、2チームの直接対決の結果でカザフスタンが1位になるため。