野望の前に心配は髪の毛!?

 レスリングの世界選手権で銀メダルを獲得した男子フリースタイル74キロ級の高谷惣亮(25=ALSOK)が11日、開催地のウズベキスタンから成田空港へ帰国した。五輪、世界選手権の同級(一時76キロ)では、96年アトランタ五輪3位の太田拓弥以来18年ぶりのメダルの快挙も、どこか悩ましげ。「はげるんじゃないかと心配で。大丈夫だとは思うんですけど」。何より頭皮が気になっていた…。

 発端は3回戦で戦ったベラルーシのガイダロフ。試合中も殴るラフプレーを受けながら勝利したが、その後に悲劇が。「休んでたら、いきなり頭にポットの熱湯をかけられて」。負けた腹いせか、周囲が間に入ってその場は収まったが、頭はやけどを負った。「決勝前に皮膚を見た人に『はげるかも』と言われて。めっちゃへこみましたよ」。

 幸い、症状は悪化せず。顔良し、体良し、しゃべり良しと3拍子そろったイケメンレスラーぶりは保たれそう。だけでなく、さらに進化する野望も明かす。体脂肪4%ほどの肉体は「腹筋は今は8つですが、10個に割りたい」。知名度では「(所属の)ALSOKのCMにやっと顔が映るはず」。前回は吉田沙保里の真後ろで踊り、髪とあごしか映らなかった。加えて「金取ったときのポーズを考えます」。今大会は銀メダルの表彰式で、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」のジョジョ立ちを披露した。

 ロンドン五輪は初戦敗退、昨年大会は7位。今回、一気に世界の階段を駆け上がり、「日本のレスリングは攻め。守らずに攻めていきますよ」と口も滑らか。きっと、髪の毛も大丈夫だろう。【阿部健吾】