バックス陣の展開力が武器だ。県大会決勝の秋田戦では35得点中25点をHB、TBの5トライで挙げた。中でもWTBの存在が心強い。2年時からレギュラーの鈴木智裕(3年)と、ケガを克服して才能を開花させた蓬田(よもぎだ)雄希(3年)。ともに中学では野球で下半身を鍛え上げ、馬力と俊足で両サイドからインゴールに突っ込む。

 高い能力を持つ戦力がそろう。小学時代はサッカーに打ち込んだCTB畠山航(3年)はキックの名人。県大会準決勝の男鹿工戦で右ひざを打撲も、全国大会は万全な状態で臨める見込みだ。また、185センチの体でタックルを繰り出すロック吉田祐太主将(3年)は自ら率先してミーティングを開くなど、チームの精神的支柱としての役割を担ってきた。

 昨年は42年ぶりの出場を果たし、実に46年ぶりとなる全国勝利も挙げた。全国最多61回の出場を誇る秋田工を抑えて2年連続の花園切符を手にしたが、吉田は「力は去年のチームより劣る。どこが相手でも最後まであきらめずに、全力プレーを心掛けたい」と意気込む。【由本裕貴】

 ◆県立秋田中央高等学校

 1920年(大9)に土崎実科女学校として創立。48年に秋田市立となり、82年に県移管に伴い現校名。生徒数は717人(女子277人)。ラグビー部は61年の全国8強入りが最高成績。硬式野球部は夏の甲子園に4度出場。陸上部駅伝男子も全国レベル。所在地は秋田市土崎港南3の2の78。小杉和夫校長。