大相撲で複数の現役力士による野球賭博が発覚した問題で、横綱審議委員会(横審)の鶴田卓彦委員長は12日、東京都内のホテルで開かれた大関把瑠都の昇進披露パーティーで「今後こういうことがあれば、横審としてすぐに引退勧告をする」と異例のスピーチをした。

 相撲協会は14日までに自己申告すれば、厳重注意でとどめる実態調査を実施しているが、鶴田委員長はここでの違反者は想定していないとみられる。また「仮に横綱、大関であっても、今後(野球賭博を)やった場合は退場だ」と強い口調で持論を展開。一方で自ら事実を公表した相撲協会に対して「いつも後手後手に回る感じだったが、割と早く対応した」と評価した。

 元生活指導部特別委員会の外部有識者委員、漫画家のやくみつる氏は「外部理事が主導的な立場を担い、(野球賭博の)背後関係を明らかにしてほしい」と要望。賭博行為の根絶に警察OBを相談役として招く案も挙げた。

 相撲協会の武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)も出席したが、特にコメントはしなかった。