大相撲の野球賭博事件で、警視庁組織犯罪対策3課は3日、野球賭博に客として関与した賭博容疑で元大関琴光喜(34)や元大嶽親方(元関脇貴闘力)(43)ら26人と、賭博を主催した賭博開帳図利容疑で執行稔トレーナー(43)を書類送検した。

 組対3課によると、元琴光喜が被害者となった恐喝事件をきっかけに昨年5月に発覚した野球賭博の捜査は角界関係者ら計40人を立件して終結する。大相撲の取組も賭けの対象だったという疑惑は、証拠が乏しく立件は極めて困難と判断したという。

 今回、書類送検された現役力士は、番付に代わって発表された新序列で小結の豊ノ島(27)や幕内豪栄道(24)ら16人。

 

 八百長疑惑で名前が挙がった竹縄親方(元幕内春日錦)(35)、十両の清瀬海(26)、千代白鵬(27)が含まれていることも分かった。時津風親方(元幕内時津海)(37)ら4人は公訴時効が成立していたため、立件を見送った。

 執行トレーナーは横綱白鵬を担当したこともあった。

 執行トレーナーの書類送検容疑は2009年3月から10年5月にかけ、プロ野球などの試合結果を予想させる賭博を主催して豊ノ島ら13人から賭け金を集めた疑い。客だった現役力士ら26人は08年3月から10年5月にかけて賭博をした疑い。

 同課は、賭博開帳図利容疑で胴元側の元十両古市貞秀被告(35)と母米子被告(64)、元幕下山本俊作被告(35)の3人も追送検した。元琴光喜ら6人が山本被告の客。

 組対3課は今回書類送検した27人について、検察に厳しい処分は求めていないとみられる。