大相撲横浜市巡業が10日、横浜・中区の横浜文化体育館で開催された。

 九州場所(11月9日初日、福岡国際センター)で新三役が濃厚な逸ノ城(21=湊)が、横綱鶴竜(29=井筒)に厳しい稽古をつけてもらった。ぶつかり稽古で約10分間、胸を出してもらってもなかなか押せず、転がされ続け、土俵上で大の字になって倒れた。逸ノ城は「指名されてうれしかった。でもきつかったし、重かったです」と疲労感たっぷりの表情で答えた。

 鶴竜は稽古後も厳しかった。「やる気ないよ。一生懸命さがないですよ」とモンゴルの後輩を一喝。秋場所では立ち合いの変化に屈して金星を供給。その怒りと悔しさの割合を報道陣に問われると「半々かな」。7日の花相撲では逸ノ城に対して「巡業ではいろいろと勉強させてあげないと」と宣言した言葉を巡業初日で実戦した。かつて自身が朝青龍に胸を出してもらった経験を振り返り「それに比べたら(今日のは)ぜんぜん甘いですよ」とニヤリ。残り13カ所の秋巡業でも、逸ノ城を鍛え上げる予告もした。

 この日は通常より5時間遅い午後1時会場の「ナイター開催」だった。09年12月の沖縄・浦添市巡業以来5年ぶりだったが、会場がオフィス街の中にあることもあって、午後6時すぎくらいからはスーツ姿のファンも目立つようになるなど盛況に終わった。11日にはさいたま・記念総合体育館で行われる。