九州場所(9日初日、福岡国際センター)の休場が決定的となっている横綱朝青龍(28=高砂)が、来日から一夜明けた6日、福岡市内の高砂部屋で、9月13日以来54日ぶりにまわしを締めてけいこを行った。

 痛めている左ひじを気にするそぶりは見せながらも、幕下以下の力士を相手に14番の申し合いも行うなど、約50分間、体を動かした。左まわしを引きつけての寄り、左上手投げに、豪快なつり落としまで披露し「いい汗をかきました。ひじは治療が必要というより、調整の段階」と話し、ケガの影響をまったく感じさせなかった。

 だが、機嫌はあまりよくなく、総合格闘技転向を表明した柔道金メダリスト石井慧について聞かれると「オレに関係のある質問をしろよ」とすごんだ。進退をかけるとみられる来年初場所へ、他人を気にする余裕はないのかもしれない。

 夕方には部屋の激励会に出席。関係者によれば部屋の各力士が場所の抱負を述べる中、朝青龍だけは話が振られなかったという。激励会終了後、報道陣から休場の決断について聞かれると「まだ」とだけ言い残した。関係者によると朝青龍はこの日、休場手続きに必要な診断書をもらうため病院を訪れたという。取組編成会議が行われる7日午前に、3場所連続の休場が発表される見通しだ。