横綱朝青龍(29=高砂)が殴った相手は「別人」だったことが27日判明した。初場所中の「泥酔暴力騒動」に関して、当初被害者は個人マネジャーの一宮章広氏(31)とされていたが、28日発売の週刊誌「週刊新潮」は、別の被害者男性がおり、鼻骨骨折など全治1カ月の重傷を負ったとの記事を掲載した。師匠の高砂親方(元大関朝潮)は被害者が一宮氏でなかったことを認める一方で、騒動は解決済みであることを強調した。

 初場所で25度目の優勝を飾った朝青龍に、新たな問題が持ち上がった。初場所中に起こした「泥酔暴力騒動」が単なる身内のトラブルではなく、別に被害者がいたというもの。28日発売の週刊誌「週刊新潮」によると、被害者は朝青龍の知人男性で、その男性は朝青龍に殴られ鼻骨骨折、頭部打撲など全治1カ月のケガを負ったという。

 当初、被害者は先代高砂親方(元小結富士錦)の次男でマネジャーの一宮章広氏とみられていた。一宮氏が自ら名乗り出て、朝青龍も高砂親方も否定していなかった。朝青龍は初場所千秋楽の翌日に高砂親方とともに武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)に呼ばれ、5度目となる厳重注意処分を受けた。ただし、身内のトラブルということもあり、それ以上は不問に付された。

 この日、高砂親方は「知り合いとのトラブル」と話し、被害者は一宮氏ではなく、別人であることを認めた。一方で、武蔵川理事長に報告した時も被害者は特定していなかったといい、「虚偽報告疑惑」を否定。被害者男性との問題も「現場で終わった話」と解決済みであると説明した。

 しかし、もともと、場所中に酒に酔って知人に暴行し、警察ざたになったことだけでも大問題。週刊新潮によれば、今後、被害届が出される可能性もあり、警察の動向次第では、問題がさらに広がる恐れもある。初場所後の土俵外の話題は、貴乃花親方の理事選挙の当落だったが、今後はまたも、朝青龍騒動が加わりそうだ。