<大相撲夏場所>◇12日目◇20日◇東京・両国国技館

 横綱白鵬(25=宮城野)が2連覇に王手をかけた。大関把瑠都(25)を一気に押し出して、初場所14日目から29連勝。ただ1人の全勝をキープし、2敗だった平幕阿覧(26)が敗れたため、後続との差は「3」に広がった。13日目に大関琴光喜(34)を下せば、通算14度目の優勝となる。自身3度目の「30連勝」でV達成と、晴れ舞台は整った。

 毎度ながらの「ため息」だった。白鵬は、ライバルといわれていた把瑠都でさえ相手にしなかった。鋭い踏み込みで、怪力大関のもろ手突きを跳ね返す。指をかけた左前まわしは切れたが、右おっつけでひたすら前に出た。「(把瑠都は)元気ないだけじゃないかな」。何度も力比べをしてきた新大関を、わずか2秒4で退治。初場所14日目から29連勝とし、当然のように2連覇へ王手をかけた。

 ファンの「まさか」を裏切る強さだ。国技館来場者が注目の一番を選ぶ懸賞「森永賞」は、12日間連続で結びが選ばれている。新大関把瑠都や通算1000勝を狙う魁皇ら話題の力士を差し置き、注目は「誰が無敵の横綱を破るか」だ。期待の歓声を一瞬でため息に変える強さ。武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)も「立ち合いが厳しいし、そのあとの攻めも速い。ちょっと力の差があるな」と、ため息をつくしかない。

 相撲史に名を残す勢いだ。この白星が千代の山を抜いて歴代14位となる「横綱240勝目」だった。在位18場所目での到達は大鵬の19を抜いて史上最速。また08年名古屋場所から続く「連続12勝以上」も歴代2位タイの12とし、トップの元横綱貴乃花の13に迫った。「あ~そう。情報ありがとうございます」。記録には無関心だが、着実に白星を積み重ねる安定ぶりだ。

 13日目に琴光喜に勝てば、通算14度目の優勝が決まる。賜杯を前にしても「決めたいと言えば、決めたいですね」と淡々。勝てば、これまで大鵬しか記録していない「3度目の30連勝」も達成する。ライバル不在で「物足りない?」の声にも「そんなことありませんよ」とニッコリ。ため息をつかせるほどの強さで、白鵬はファンをうならせる。【近間康隆】