大相撲を中継するNHKが今日8日に初日を迎える名古屋場所(愛知県体育館)で、「砂かぶりカメラ」を導入することが7日、分かった。中継スタッフが小型カメラを持ち、正面の土俵下から撮影する。

 取組は観客の視線を妨げたり、力士の落下時に巻き込まれる可能性があり、双方にとって危険なため撮影しない。NHK関係者は「最後に塩を取りに行くところまで撮影する予定。取組は撮らないが至近から撮ることで、直前の緊張感がある雰囲気などをお伝えできれば」と話す。

 同カメラは全取組を撮影するわけではない。幕内の上位を中心とした、いくつかの注目の取組に限りスタッフが手に持ち移動する。これまでの中継では、土俵を上から見下ろす形での映像が多かったが、土俵とほぼ同じ高さから見上げる形になる。

 過去の同局の中継では、天井カメラを設置し、土俵際を回り込む力士の様子や、鮮やかな投げを違った角度から放送。今年に入ってからは、歌手のデーモン閣下をゲストに招いた時に、国技館の2階席や升席からの見え方を伝えた。また、プロ野球中継では二塁ベースに小型カメラを埋め込み中継するなど、さまざまな試みを行ってきた。

 現時点で砂かぶりカメラは、名古屋場所だけの予定。秋場所以降は動線の問題などもあり未定だ。先場所の千秋楽は視聴率が20%を超えた。今場所の中継は新しい視線でも楽しめそうだ。