阪神は終盤にヤクルトを突き放し、藤川、ジョンソンを温存できた。高橋遥に勝ちがついたが、最大のピンチだった5回を乗り越えたのが大きい。

山田 サウスポー受難の球界にあって、阪神でもっとも安定感のあるのが左の高橋遥だ。足を止めたり、2段モーションの投手が目立つなかで正統派のピッチャーといえる。これからエースになるには、一にも二にも投げるスタミナをつけることだ。少し気になったのは5回のブルペンの動きだった。

3点リードの5回1死から、2番大引に中前打を放たれた。続く山田哲に四球で一、二塁。バレンティンが遊安、木浪の失策が絡んで1点。雄平、村上を連続三振にとった。

山田 大引のヒットの後、山田哲、バレンティンと続くことを考えたら、ブルペンは早めに準備を始めるべきだった。あの時点でだれもキャッチボールさえしていないのは「?」だ。前のDeNA戦でリリーフを使っているし、高橋遥に勝たせたい気持ちもあっただろうが、あそこは即座にブルペンが反応しないといけない。

5回の三塁側ブルペンが動きをみせたのは、1点を返され、なおも1死二、三塁、雄平を打席に迎えたところで、ようやく守屋、島本が投げ始めた。

山田 これから上を狙うには後手になる戦いは避けたい。リリーフがそろっているのだから、万全の準備をしたいものだ。【編集委員・寺尾博和】