阪神はDeNAの先発上茶谷を攻略できず、6安打で今季9度目、甲子園では初の完封負け。甲子園での連続試合本塁打も「8」で止まった。

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-上茶谷に封じ込められた阪神だが、ノーアウトから先頭打者を出塁させたのは5、6、7、8回の計4度を数えた。

梨田 5回は大山が右前打で出塁したが、次打者がボーアだった。7回は糸井が出ても、次がサンズだった。阪神ベンチが作戦で上茶谷に揺さぶりを掛けられたのは「6回」だけで、そのサインが吉と出るか凶と出るかだった。

-1点を追う6回は、青柳の代打荒木が左前打で出塁。1番近本が上茶谷のカウント3-2からのショートバウンドしたスプリットのボール球に空振り。スタートを切った荒木が捕手戸柱の送球に二塁タッチアウトでランエンドヒットは失敗。阪神ベンチのリクエスト要求も判定は変わらなかった。

梨田 DeNAからすれば、一塁走者が荒木、打者が近本だから、いやな場面だった。近本は3-2からバットに当てなければという気持ちが強かったはずだが、ちょうど死角になるような膝元にきた球を振ってしまった。見逃すことができればベストだった。阪神ベンチの心理には、仮に三振を喫したとしても、二塁に走者荒木が残ってくれると読んだはずだ。その駆け引きが外れて最悪の結果になった。

-1点差のままいけば分からなかったが、続く7回に2番手エドワーズがソトに初球を左越え3ランされてしまった。

梨田 もう1つ言うと打順の巡りだった。6回表に1点を奪われた阪神は、その裏先頭が投手の青柳だったから、代打荒木を送ることになった。これがシーズン前半なら青柳は続投だった。つまり打順の巡りが青柳に代打を送っての交代を余儀なくされたということだ。そのリリーフに出たエドワーズが突き放されるのだから最悪が重なった。この内容ではエドワーズは計算ができない。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】