試合に敗れ引き揚げる矢野監督(撮影・清水貴仁)
試合に敗れ引き揚げる矢野監督(撮影・清水貴仁)

いろんな意味で残念です。大いに残念です。この時期にきて新型コロナウイルス感染で、選手の大量入れ替えを強いられ、そして、大事な一戦にも敗れてしまった。

片や強いとは思わないが巨人はマジックを減らしていく。はがゆいです。勝手ながら「どうして阪神が?」という思いもある。スキがあったとは思いたくないが、スキがあったと言われても仕方がない。

このヤクルト戦はスクイズに尽きました。3-3で迎えた6回。無死二、三塁。阪神ベンチは坂本のカウント2-1からスクイズを指示したが空振りで失敗に終わってしまった。

この試合、1点勝負でしたか? 1点とって守り勝つようなゲームには見えなかった。ヤクルト梅野の調子を含めて、あの場面にスクイズの作戦は考えにくい。それで流れがいっぺんに変わりましたな。

一方、ヤクルトは7回裏無死一塁、荒木がバントの構えから強打にでて左越え2ランです。同じバントがホームランですから皮肉としか言いようがない。打たれた能見は緊急招集されたばかりで気の毒でした。

ただこれでペナントレースが終わったわけではない。打撃開眼した大山のタイトル争いも注目したい。そんな大事な残りシーズンなのに…と思ってしまうが、チームには謙虚に、一心不乱に戦ってほしいです。(日刊スポーツ客員評論家)

6回表阪神無死二、三塁、坂本がスクイズを失敗し、挟殺される大山(中央)(撮影・狩俣裕三)
6回表阪神無死二、三塁、坂本がスクイズを失敗し、挟殺される大山(中央)(撮影・狩俣裕三)