藤浪のセットアッパー起用は悪くないだろう。ストレート、カットボールで空振りが取れる。ストライクさえ入れば、あれだけの球威があるので、抑えられる。ブルペンが手薄という状況もあるが、自信をなくしている投手にきっかけをつかんでほしい、という首脳陣の思いもあるはずだ。

結果的に無失点に抑えたが、今後については、無理やり勝ちパターンの展開で使うことはしないほうがいい。この試合は先頭打者に四球を与えた。そこまで制球力のない投手と私は見ていないが、やはり力みから抜け球がある。8回の場面も四球が続けば、ベンチは投手交代も考えざるを得なかっただろう。僅差の展開ではなおさらだ。試合終盤の局面ではリリーフ失敗により、1週間で2~3試合落とすことはある。さらに自信をなくし、藤浪を起用する場所がなくなってしまう。リリーフの適性はあるが、状況を考えながら、慎重に起用するべきだ。

ただ、この試合に関して言えば、高橋を7回まで投げさせ、8回エドワーズ、9回スアレスの流れが理想だった。高橋は序盤、本来のキレを欠いていたが、粘りながら、3回以降は立て直した。調子が悪いなりにも投げられたという経験は次につながる。7回は中日打線の主軸を迎えたことで、継投にスイッチしたが、現在のチーム状況に、13連戦の初戦ということを考えれば、もう1イニングしのぐ投球が高橋には求められる。そうしなければ、中継ぎ陣の負担は相当なものになる。(日刊スポーツ評論家)