2点リードの8回表に登板した阪神藤浪晋太郎投手(26)が、自己最速タイの160キロを連発した。

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藤浪はリリーフに回ってから、ものすごく腕が振れている。腕がよく振れているから160キロが出るし、コントロールも良く、当然抜け球も少ない。先発はペース配分とか6~7回の長い時間で、いろんなことを考えないといけないけど、中継ぎは1イニング20球程度を全力でいく。爆発的に力を発揮するタイプの適性を見せている。こんなに楽しそうな藤浪は見ることがなかったし、解き放たれたというか、本人が一番、手応えを感じていると思う。

チームの緊急事態で突然巡ってきた初めての役割だけど、抜群の安定感で「8回の男」に定着しつつある。スアレスもこの日、160キロ出したが、8回と9回で160キロを出す方程式は、プロ野球でも初めてじゃないかな。160キロ台になると、打者はほとんど対応できない。2日からの首位巨人4連戦でどんな投球をするのか、楽しみだ。いずれ先発に戻るのか、それともクローザーへのきっかけになるのか。良い経験を積んでいることは間違いない。(日刊スポーツ評論家)