巨人にとっては、なんとも痛い雨天コールド負けだった。3点ビハインドの7回表無死二、三塁で試合終了。雨は上がっていたし、コロナの状況下でなければ試合は続行していたと思う。首位決戦の“第1ラウンド”は思わぬ形で決着がついた。

巨人は気持ちを切り替えるしかないのだが、具体的な気持ちの切り替え方を提案したい。まず、今試合で先発した戸郷だが、6回を投げて4失点。残った数字はよくないが、ウィーラーと坂本のエラーもあり、自責点は2点。しかし中12日でもあり、戸郷の持っている力量から本来のピッチングではなかった。

相手の秋山のピッチングを参考にしてほしい。技巧派タイプの秋山が5回までの60球中、真っすぐは半分以上の33球もあった。一方の戸郷は5回まで68球中、真っすぐは28球で半分以下。力で押すタイプの戸郷と打たせて取るタイプの秋山なら、逆でもいい内容。3回の糸原のタイムリーはスライダーで、5回の近本のタイムリーもカーブ。細かい説明は省略するが、全体的に変化球が多く、自分の持ち味を生かせていなかった。

野手で気になったのは、7番の北村。第1打席は2回2死から外角の真っすぐを見逃し三振し、第2打席は5回無死一塁から中途半端な打撃でセンターフライだった。戸郷と同じだが、自分の待ち味を考えてほしい。第1打席は本塁打を狙っていい場面だったし、第2打席はカウント1ボールからフォークを追っつけ気味のスイングでファウル。直後の3球目は甘い真っすぐだったが、思い切り振りのいいスイングではなかった。追っつけるにせよ、引っ張るにせよ、パワフルなスイングをしなければ持ち味は出ないし、怖さも感じない。

戸郷にしても北村にしても、若い選手には失敗を恐れない勇気を持ってほしい。戸郷もパワーピッチャーを目指してほしいし、北村にしても守備や機動力を売りにした選手ではない。乱暴な言い方に聞こえてしまうかもしれないが、特にチーム状態が悪かったり、チームの雰囲気が悪い時は、自分の持ち味を生かすことだけに専念していい立場。チームの勝敗は主力選手に任せてしまうぐらいの気持ちでいい。そんな若い選手のがむしゃらなプレーが、結果的にチームの勢いをつけたりするものだと思う。(日刊スポーツ評論家)

阪神対巨人 2回表阪神2死、北村を見逃し三振に仕留める阪神先発の秋山(撮影・狩俣裕三)
阪神対巨人 2回表阪神2死、北村を見逃し三振に仕留める阪神先発の秋山(撮影・狩俣裕三)