東京五輪の野球日本代表に追加招集された日本ハム伊藤大海投手(23)が、自身6連勝となるチームトップの7勝目を挙げた。12球団トップの得点力を誇るロッテ打線を7回1安打無失点、7奪三振と圧倒した。侍の力量を証明するとともに、球団の新人では史上初の6戦6勝をマークした。

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日本ハムは沖縄のソフトバンク戦と旭川の西武戦で中継ぎを使ったので、ロッテ戦に先発した伊藤のこの日の役目は長いイニングを投げることにあった。普通はそうなると制球は甘めになったり、投げ急ぐ傾向になりがちだが、伊藤はコーナーに丁寧に投げていた。相手打者1巡目は球種を直球、スライダー、カットボールの3種類に絞り、コントロールできるボールを積極的に使っていた。

2巡目に入るあたりから今度は縦に落ちるボールを使い始めた。打者にとっては目線が変わり、狙い球を絞りにくい組み立てだった。投手で大事なのは立ち上がりで、1巡目にどれだけテンポよく、ボール球を少なく投げるか。この日の伊藤はそれができていた。追加招集された侍では先発、中継ぎ、抑えどの役目も対応可能だろう。先発が崩れたときのロングリリーフなど、ジョーカー的な起用になるのではないか。

野手では3安打した浅間の最近の活躍が目立つ。これまではテークバックのとき体が上下にぶれていたが、今季はそれが修正され、目線のぶれも少なくなった。そのためボールへのインパクトが合わせやすくなったのが好調の要因だ。(日刊スポーツ評論家)

ロッテ対日本ハム 3回裏ロッテの攻撃を無失点に抑え力強くグラブをたたく日本ハム先発の伊藤(撮影・垰建太)
ロッテ対日本ハム 3回裏ロッテの攻撃を無失点に抑え力強くグラブをたたく日本ハム先発の伊藤(撮影・垰建太)