阪神は首位ターンを決めたが、交流戦ごろまでの打線の勢いがない。1年を通してある時期だが、こういう時こそ「打線」として、つながりを持たなければいけない。特に意識を強くしなければいけないのが近本、大山、佐藤輝の3人だ。

阪神対DeNA 8回裏阪神2死満塁、三振に倒れた佐藤輝と、交代を告げる矢野監督(撮影・上田博志)
阪神対DeNA 8回裏阪神2死満塁、三振に倒れた佐藤輝と、交代を告げる矢野監督(撮影・上田博志)

近本は3回に粘りながら1発を放ったのは見事だった。だが5回は前打席との内容の差がありすぎた。1死一塁で一塁走者がけん制死。直後の初球の外角高め直球を三邪飛に終わった。2死走者なしとはいえ、悪い流れの中で簡単にアウトになってはいけない場面だった。粘ったり、待っている球でなかったらスイングを止めて仕切り直すことが必要だ。

大山は6回2死、1ボールから外角低めのボール球のチェンジアップを空振りした。長打は狙っていい状況だが、本当に待っている球種だったのか? 2ボールになれば、バッテリーはさらに攻めづらくなるのに、自ら平行カウントをつくってしまった。

佐藤輝は12日の初戦で9回に代打で安打を放った時のようにスタンドの空気を変えられる選手だ。一方で空振りをすると序盤戦のようにファンも寛容ではいられなくなっている。もちろん三振を恐れてこぢんまりとはしてほしくないが、見極めることは大事だ。ストライクゾーン内は捉えられるだけに、ボール球をいかに1球、我慢できるか。その1つのボールで展開がガラリと変わる。好調時はその見極めができていた。

3人とも打率と比べて出塁率が低い。チームとしてもヤクルトやロッテとほぼ同じ打率2割5分台だが、出塁率は2分以上低い3割1分台。積極性や強いスイングなど持ち味は絶対に消してはいけないが、打席ごと、状況に応じてアプローチは変えなければいけない。優勝争いが進めば好投手との対戦も増える。この日のDeNA今永は内容は良かったが、こういう投手を「打線」として攻略することが、優勝するには必要だ。(日刊スポーツ評論家)

阪神対DeNA 3回裏阪神1死、右越え本塁打を放つ近本(撮影・清水貴仁)
阪神対DeNA 3回裏阪神1死、右越え本塁打を放つ近本(撮影・清水貴仁)
阪神対DeNA 3回裏阪神2死一塁、三邪飛に倒れる大山(撮影・上田博志)
阪神対DeNA 3回裏阪神2死一塁、三邪飛に倒れる大山(撮影・上田博志)