左腕高橋遥人は阪神先発陣の救世主といえる内容だ。打線の初回3得点の援護で、あとはゲームセットを待つだけ、と確信したほどだ。

どの球種も同じ腕の振りで制球よくストライクを奪える。特に下半身の使い方が素晴らしい。右足を大きく前に踏み出し、低く沈むフォームで粘りがあり、右足が着地してから、もう1つ間があって左腕が遅れて出てくる。球持ちが長いため、打者は直球に差し込まれがちで、早めに前で対応しようとすればツーシームなど抜き球ですかされる。

最近はオリックス宮城、楽天早川ら売り出し中の本格派左腕も左打者の内角に投げきれずに苦労している。内角が消えれば、左打者は外角球にも踏み込めるからだ。だが高橋は初回に大島から見逃しを奪ったツーシームなど、内角を突ける球種がある。直球が投げられれば理想的だが、打者の意識に植え付ける分には十分。140キロ前後のカットボールも球速、曲がり幅を微妙に変えて3種類は投げ分けているようにも見え、スライダー、カーブも含めればクロスファイアだけでも幅の広さがあり、一筋縄ではいかない。

復帰4戦目で2試合連続完封となった。昨季までも能力を感じさせ、2ケタを勝てる投手と思っていたが、下半身の充実もあり、事実上のエースだ。通常の登板間隔ならば次戦は首位ヤクルト戦になる。今季初登板(9月9日)で4回6失点を喫した相手。だが現状で投球自体には課題が見当たらない。1度打たれたことをどうしても意識しがちになるが、普通の精神状態で臨めるかがカギになる。(日刊スポーツ評論家)

阪神対中日 2試合連続の完封勝利を挙げ、ナインと喜び合う阪神高橋(中央)(撮影・前田充)
阪神対中日 2試合連続の完封勝利を挙げ、ナインと喜び合う阪神高橋(中央)(撮影・前田充)