阪神ドラフト1位の森下翔太が打撃練習をする場面を初めて間近で見ました。

第一印象は、ズバリ、力強いということですね。スタンスはやや広め、テークバックは少し浅めかもしれません。いいのがバットのヘッドが常に立っていること。これなら速い球に力負けしないはずです。

イメージとしては長く阪神に貢献したマートンのような感じでしょうか。打球方向もマートンのように広角に打てる感じがしますね。打撃投手代わりに投げた前田スカウトの後、マシンを相手に打っていましたが、マシンの球速は普通に1軍レベルの速さだったと思います。それに負けていなかったし、バットの芯を外してもしっかり振り切るスイングができていました。

前日、森下の様子を視察した岡田監督はすぐに1軍キャンプにゴーサインを出していたようですがコンディションさえ問題なければ十分、1軍でやれる体、力強さは持っていると思います。大柄なのもいいですね。

大事なのはシーズンではどうか、という部分ですがもちろん簡単ではないでしょう。選手起用は1人だけの問題ではないと思います。やはり大山ら主軸打者がしっかりしていればルーキーでも森下を起用して6番などに置けるはず。そこで結果が出なくても我慢して起用していくことができるからです。その兼ね合いが大事なのですが、それを抜きにしても楽しみな存在なのは間違いありません。

起用となればポジションはこのキャンプから数人で競っている右翼になると思います。守備面については担当の吉野スカウトら、関係者数人にも聞きましたがかなり安定しているようです。甲子園の右翼は風の問題などもあり、自身の経験から言っても簡単ではありませんが、ぜひ定着してもらって新たな外野の顔になってほしいと思いますね。(日刊スポーツ評論家)

岡田監督(左)と和田2軍監督(中央)らの前で15発の柵越えを披露した森下(2023年2月5日撮影)
岡田監督(左)と和田2軍監督(中央)らの前で15発の柵越えを披露した森下(2023年2月5日撮影)