昨季Bクラスだった巨人の陣容表を見ていると現状ではコマが足りない。優勝争いをするためには、若手の台頭が必要になってくる。
とりわけウイークポイントは救援陣にある。守護神の大勢につなぐセットアッパーを固めたいところ。ブルペンで見ていて面白い存在だと思ったのは2年目の菊地だ。球自体は一級品。ストレートは「ドスン」というより、キレがある球質で、バランスのいいフォームから繰り出される。育成から昇格したルーキーイヤーは16試合で防御率5・60だが、奪三振率は10・7と8回を投げる素質がある。
課題は守備におけるショートスローに難があること。技術的な修正も大事だが、まずは受け入れることが最初の1歩になると思う。ワンバウンドで一塁送球したり、一塁ベースへ駆け寄りトスしたり、アウトにする手段はたくさんある。阪神青柳もショートスローの問題に直面したが、見栄えが悪くてもアウトにすることで投手3冠に輝いたのは、好例だ。投球での自信がついていけば、こういう問題も改善される可能性もある。
日本一に輝いたオリックスは先発を後ろに配置転換して機能したが、巨人の先発陣は後ろに回すほど潤沢ではないし、タイプ的にも合わないと思う。菊地がソフトバンクの藤井が8回にハマった感じのように抜け出してくれば面白いし、期待できる球を投げている。
野手に目を移すとルーキー2人が面白い。ドラフト2位の萩尾は中堅から右方向へ強い打球が打てる力がある。バットのヘッドがトップの位置で、やや投手寄りに入るため、内角球に合わすまでにヘッドが下がって、波打つ形にはなっている。詰まらされたりして、相手も内角を攻めてくるだろうが、今はいじる必要はない。まずはしっかり自分の打てるポイントを確実に仕留めていくこと。レフトのレギュラーを狙える可能性はある。
ドラフト4位の門脇はレッドソックス吉田のような力強いスイングが特徴。ショートでこれだけの打力があれば十分に使えるし、さらに守備のレベルも高いという。坂本がケガがちで出られない状況になれば、一気に出場機会を伸ばすだろう。巨人に必要な野手の世代交代をこの2人が推し進めることを予感させる。(日刊スポーツ評論家)




