4時間26分。両軍合わせて計16人のピッチャーがつぎ込まれた。阪神は土壇場でDeNA山崎を2死から追い込んだ末に勝利をもぎとった。

山田 抑えのピッチャーがツーアウトから打たれているようでは心もとないよね。でもそのスキを突いた阪神の執念と言えるだろう。特に小幡、坂本の粘りは立派だった。総力戦になったこのような一戦をモノにしていけば、チームの自信につながっていくはずだ。

先発秋山が1、2回に5点を失って、たちまち劣勢になった。だがすぐ反撃に転じ、5回に佐藤輝の犠飛で同点にした。

山田 秋山は悪いなりに5回を投げきった。その裏に追いついてなければ、どちらかというと弱いピッチャーからつぎ込まざるを得なくなるし、加点される可能性も大きくなる。その点、阪神のリリーフ陣にはやはりというべきか良い感触をもった。走者の出塁を許しても簡単には崩れない。実際にほとんどピンチを招かなかった。使えるピッチャーがそろっているということだ。逆に攻撃サイドが毎回のように走者をだしながらも決めきれなかったとも言えるだろうね。

阪神が抑えに当て込んでいる湯浅も、9回に5番手で1イニングを封じた。

山田 まだ本調子ではないだろう。もっとストレートで押し込めるようになればフォークも生きてくる。現時点では外国人も難しいようで、抑え候補は湯浅しかいないということだろう。湯浅にメドが立ったときリリーフ陣はさらに強くなる。まだ開幕から2試合だが「代走」「代打」など選手起用には“勝負のあや”を読む意図が感じられた。シーズンが進めばチーム全体が戦い方に慣れてくるだろう。そこに選手が応えることだ。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】