新生岡田阪神が開幕3連勝とロケットスタートを決めた。
チームとしては2年ぶりで、ホーム開幕カードでは15年以来8年ぶりの3タテ。岡田彰布監督(65)に限れば、第1次政権で04年の巨人戦、08年横浜(DeNA)戦に続く3度目の3連勝発進だ。昨季の開幕9連敗の悪夢を一瞬にして振り払った。
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ベンチの用兵がまんまと的中したのは、ダメ押しの攻撃に限ったことではない。
この一戦は開幕から連投していたリリーフの浜地をベンチから外していた。
梨田 おそらく岡田監督は湯浅も使わないと決めていたはずだよ。前日(1日)のような延長戦になれば別だろうがね。でも結局は、浜地も、湯浅も投げさせることなく温存できた。しかも開幕から3連勝ってなかなかできないからいうことなしだ。
DeNAに2点差に迫られた終盤は、あやしいムードが漂い始めた。8回2死。一塁走者中野が島田の1ストライク後に二盗を決めると、すかさず代打に送った原口が左越え2ラン。DeNAも“瞬殺”を受けてキツネにつままれたようだったに違いない。
梨田 一塁けん制でエスコバーの足が動いた瞬間、スタートを切った中野の二盗はギャンブルだった。岡田監督は四球を選んだ中野が二塁まで進んだときのことを考え、原口に代打の準備をさせていたはずだ。その証拠に原口がベンチ裏から出てくるのが早かった。島田に代わった原口は打席に入った時点ですでにカウントが1ストライクだから、ストレート1本絞りだったのだろう。一連の采配ぶりは若い監督ではできなかったかもしれないね。
先発才木が7回途中まで力投し、岩崎がリリーフして、8回はK・ケラー、9回は石井が締めた。
梨田 才木は飛ばして、味方の中盤の攻撃が長かったこともあって、へばってきていた。岩崎が3連投になったのは気の毒だが仕方がない。開幕3連戦の用兵では、中野の二塁転向も正解。近本からの中継で小幡のショートで好プレーをした。ノイジーが機能し、森下もいい働きをした。序盤にもう1、2点はとれたが、戦前予想したように、阪神が優勝争いに絡んでくるのは間違いない。
【取材・構成=寺尾博和編集委員】