首位を走る阪神の原動力になったのが、今季に急成長した村上頌樹投手(25)の活躍が挙げられる。

今季の初先発が、4月12日の巨人戦で、7イニングをパーフェクトに抑えて勢いに乗った。意外にも巨人戦の先発はそれ以来。巨人打線がどう挑んでくるかを注目していた。

甘い球を逃さずに長打を狙ってくる巨人打線は、村上に対して相性が悪いと思っていた。抜群のコントロールに加え、球種も多く、狙い球が絞りにくいタイプ。特に左打者は厄介で、内角にはスライダー回転して食い込んでくる。打ちにいってもファウルになるし、そこへの意識が強くなると、フォークにバットが止まらなくなる。そして外角のボールゾーンからスライダーとカットで見逃しストライクを狙ってくる。まさに打ち崩すのは至難の業になる。

この試合前までだが、左打者には打率1割7分1厘、3本塁打で、右打者は打率1割8分1厘、8本塁打。巨人打線も左打者より右打者の方がいいと考え、右の長野を1番に起用したのだろう。それでも6イニングで1得点。唯一の得点も、ブリンソンの暴走気味の走塁が功を奏し、焦った阪神の内野陣のミスからもらった1点だけだった。

攻略は難しい。それでも阪神が優勝すれば、CSファーストステージで勝ち上がったチームは必ず村上と対戦する。なんとか対策を練らなければいけない。

まず、甘い球を待っても、そこから厳しいコースに食い込んできたり、逃げていく球を投げ分けてくる。それならば内角か外角かにコースを絞り、狙ったコースなら厳しい球でも思い切って打ちにいく。狙っていないコースがボールになればラッキーと考えるぐらいの思い切りが必要だろう。「肉を切らせて骨を断つ」ではないが、長打力のある巨人打線なら大ヤマを張ってホームラン狙いに徹していいと思う。

好投手というのは、そう簡単には打てない。むしろエースの戸郷が打たれ、2盗塁されたディフェンス面の見直しは必要。巨人に限らず、CSで日本シリーズ出場を狙うチームにとって「村上攻略」は必修の研究課題になる。(日刊スポーツ評論家)