第1戦、第2戦が大味なゲームだっただけに、一転して息詰まる熱戦になりました。阪神か、オリックスか、どちらに転んでもおかしくない展開で、久しぶりに興奮しました。

阪神が「10安打、4得点、9残塁」で、オリックスが「9安打、5得点、7残塁」。ですから、数字だけをみても、両チームともまったく互角の戦いだったといえます。

ただ、わたしとしては、残念に尽きる1敗でした。それは接戦にあって見逃されがちですが、やはり手痛いミスが出たことです。しかも、第2戦は西勇、第3戦が伊藤将と、投手のエラーが失点につながりました。

伊藤将は同点の5回に1点を勝ち越され、なおも1死一塁の場面、9番東の送りバントを二塁に悪送球し、自らピンチを広げました。そして2死一、二塁から宗に右中間へ2点二塁打を献上。最少失点でとどめることのできたシーンです。

第2戦も西勇の一塁けん制がそれた後、やはり2アウトから先制される失点につながりました。打球処理のミスは仕方がないところもありますが、送球ミスはいただけない。厳しいようですが、ボーンヘッドに近いミスと言わざるを得ません。

一方で、オリックスからも経験と実績を積んできた地力を感じます。東を5回で降ろして継投に入った。森に守備固めを送るのではと思いましたが、ゲーム終盤まで出し続けた。選手を信頼して起用する中嶋采配の一端を見た気がしました。

阪神は「投手を含めたディフェンス」の原点に立ち返って切り替えたい。不安定な外国人ピッチャーを重用するより、若手を前面に押し出すほうが、好結果を生むのではないだろうか。打つ方は長打もほしい。第4戦は負けられません。(日刊スポーツ評論家)