阪神にとって、序盤の大量失点は想定外だ。それが6連戦の“頭”を任せた村上だから、なおさらだった。

山田 村上は自身の“開幕”だったことを差し引いても、昨季とはほど遠い姿だった。良い悪いのばらつきがありすぎで、佐藤輝のエラーがなければ乗っていったかもしれないが、あの1点で抑えてほしかった。ネット裏から見ていて、どこかがずれているようだったね。

1回は佐藤輝の適時失策で相手に先取点が入った。その後2死満塁から、7番山本にまんまと右中間を破られる走者一掃の三塁打を許した。

山田 本来の村上だったら、山本に投げ勝つところだ。でもあそこで追い込んでも粘られてしまうのは、それがフォームなのか、気持ちなのか、どこかがちょっとずれている。阪神ベンチも内容が良くないことを察したから3回で代えたのだろう。

劣勢に立った阪神は、DeNA先発ジャクソンを打ち崩せなかった。

山田 よく“初モノ”は打ちにくいというが、打者側からは、真っすぐと変化球の区別がつくタイプだった。それに対処できなかったということだろう。ただ開幕カードの巨人戦からみると、各打者の仕掛けが早くなっているから、これから調子が上がってくるのかもしれない。ジャクソンも次回は攻略できるだろう。

阪神は開幕スタートから、巨人、DeNAと重苦しい展開が続いている。

山田 勝つには勝ったDeNAだが、特に走塁面を含めて、とれるときに、点をとれていない。“息の根”を止められるときは止めないと、ゲーム終盤にもつれるし、シーズンを通して勝ち抜けないだろう。相手のまずい攻めに助けられる場面もあったのに、阪神はそのビハインドをはね返すことができなかった。【取材・構成=寺尾博和】

阪神対DeNA 1回表DeNA1死満塁、打者関根を迎えたところでマウンドに集まるナインと村上(撮影・加藤哉)
阪神対DeNA 1回表DeNA1死満塁、打者関根を迎えたところでマウンドに集まるナインと村上(撮影・加藤哉)