阪神の今シーズン2勝目は、DeNAバッテリーにつけ込んだ逆転勝利になった。果たしてこれで虎は息を吹き返すだろうか。

梨田 阪神は明日(4日)のDeNA戦に勝ち越せば勝率を5割にすることができる。そのチャンスを得た。開幕からの出だしをみると、どのチームが突っ走るのかわからない。わたしも経験してきたが、監督にとって「5割」という目標がどれだけ価値があるものかは思い知っているつもりだ。だからこの1勝は大きかった。

1点を追う6回は、近本四球、中野の犠打で1死二塁になった。続く森下の2点本塁打は、DeNA浜口が2-1から投じたチェンジアップをとらえた一打だった。

梨田 昨年だったら近本が出塁し、中野に打たせてチャンスを広げていただろう。打って、つないで…といった攻撃だったが、監督も本当はしたくないはずだが、ここはまずは同点と考えたのだろう。森下が打ったのは浜口-山本のDeNAバッテリーがチェンジアップを4球続けた結果だった。特に山本は成長しているが、森下に配した2球目のチェンジアップがファウルになった時点で遅い球が狙われていることを察するべきだった。その観察力が働けば展開は変わっていたかもしれない。逆にそれを仕留めた森下は見事だった。

そういえば4回に1点を返した大山の左前適時打もチェンジアップだった。

梨田 そう。阪神の中心打者は浜口の遅い球に狙いを絞っていた。4回の大山も好球のストレートを見逃している。もっとキャッチャーが強弱をつけた配球をするのが逃げ切る術だった。阪神は大山、木浪、中野らの好守が、不安定だった伊藤将を盛り立て、近本、森下、大山らが打った。チームは勝率を5割にしたら、次はカードの“頭”をとりにいくことに力を振り絞ってほしい。

【取材・構成=寺尾博和】

阪神対DeNA 6回裏阪神1死二塁、森下は左越え2点本塁打を放つ(撮影・加藤哉)
阪神対DeNA 6回裏阪神1死二塁、森下は左越え2点本塁打を放つ(撮影・加藤哉)