現役時代は近鉄一筋17年で4度の盗塁王に輝き、オリックスで監督を務めた日刊スポーツ評論家の大石大二郎氏(65)が試合をチェック。阪神勝利のポイントに3回の先制を呼んだ中野拓夢内野手(28)が決めたセーフティー内野安打を挙げながら、追加点を奪えず苦しい戦いになった要因も中野にあると分析。低調な打撃を打開して打線につながりを生むためにも、自ら手本を示したセーフティーバントへのトライを推奨しました。【聞き手=松井清員】
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首位を追う阪神は、何が何でも勝ちがほしい試合で勝ち切った。苦しい展開でしたが、内容より結果が求められる時期だけに、大きな3連勝だと思います。
攻撃では3回、中野のセーフティー内野安打が効きました。ベンチからのサインだと思いますが、三塁線の一番いいところに転がした。四球で出た1番近本と線になってつながり、3番森下の先制打、5番佐藤輝の犠飛を呼び込みました。
ただし、苦しい展開にしたのも中野です。追加点のチャンスだった4回2死一、三塁は大野に遊ゴロ。6回1死一、二塁は斎藤に空振り三振。甘い球もありましたが簡単に見逃したり、ファウルで仕留め切れなかったり。打ち損じが目立ち、中日を突き放せなかったことで接戦になりました。
真っすぐにタイミングが取れておらず、打率2割2分9厘の数字が示すように状態は良くありません。昨年は近本が出て中野も中軸につなぐ役割を果たして優勝しました。でも今季は2番で切れることが多く、昨年のような打線の形になっていないことが、苦戦している1つの要因でしょう。
でもこの日決めたセーフティー安打は、良いヒントになったと思います。私も現役時代、調子の出ない時に仕掛けたことがあります。中野は左打者で足も速いし技術もある。三塁側だけでなく、一塁側にプッシュするなど幅広く仕掛けると成功する確率も上がる。構えを見せてリズムを狂わせるだけでも効果があるし、投手は足を動かされるのがイヤなもの。前後が当たっているだけに、2番の出塁機会を増やすことが、勝敗のポイントになってきます。
首位に浮上した巨人とは3差ですが、3位の阪神は上に2球団いるのが苦しいところです。残り19試合は最低2勝1敗ペースで、広島との3試合、巨人との2試合は全勝することが、逆転優勝の条件でしょう。中野が昨年のようなつなぎを復活できれば、希望はあると思います。(日刊スポーツ評論家)




