大手受験予備校が手がける通信制高校が、記念すべき初の公式戦で勝利をつかんだ。昨年4月に開校した四谷学院(茨城)は、阪神大山悠輔内野手(31)の母校つくば秀英に7-0の8回コールド勝ち。
オール1年生の部員15人が好発進を切り、2回戦で24年夏の甲子園出場の霞ケ浦と対戦する。
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何もかもが初経験だった。試合終了のあいさつ。一礼した四谷学院ナインは、ベンチに戻ろうとした。審判団に校歌があると教えられ、整列し直したほどだった。日本ハムの教育ディレクターだった本村幸雄監督(55)は「約3カ月で何とかここまでゲームができるようになった。選手たちの頑張りもそうですけど、学校の協力、いろんな学校さんにオープン戦をやっていただいた。本当に周りに助けられて感謝しています。選手には100点満点をあげたい」。自主性を尊重するスタイルで、試合中は円陣を組んで指示を出す場面はなかった。
初回、1死一塁から3番小山大地外野手が右中間へ先制の適時二塁打。記念すべき初得点を挙げた。小山は早朝4時には起床。寮内にある室内練習場で打撃練習を行って、球場入りしてきた。グラウンド、寮などの設備投資には約10億円が投じられたという。小山は「起きてからすぐに練習できる環境はありがたい。その成果が出ました」と感謝した。
小山の4安打3打点など、打線は10安打で7得点。先発の松本颯志投手が6回を6安打無失点。7回から小野朔太郎投手が無安打に抑え、無失点リレーで封じた。松本は「しっかり普段通りの野球ができた。全員で勝ち取った1勝です」。「文武両道」を掲げる同校の門をたたき、甲子園出場と難関大学合格の両立を目指している。
一昨年の夏には茨城大会準優勝、昨夏はベスト8のつくば秀英を撃破した。次は10日にシード校の霞ケ浦と対戦する。本村監督は「勉強だと思って、楽しませます」と若い力に期待していた。【平井勉】
○…四谷学院側のスタンドは東京・新宿区から来たバス1台の応援団と保護者ら約100人で埋まった。学校が帽子250個、メガホンなどを用意。開校、創部を後押しした植野治彦理事長(83)も応援し、初の校歌が流れ「本当に感動しました。これから新たな歴史が始まる」と勝利の余韻に浸った。松本の母亜沙子さんは「息子は中学時代の偏差値は64、65ほど。本当は中学で野球をやめる予定だったのですが、両立ができるということで入って良かった」と喜んでいた。
◆四谷学院(高校) 予備校などの様々な教育サービスを提供する「株式会社四谷学院」が昨年4月に開校した広域通信制で、教育理念は「だれでも才能を持っている」を掲げる。北海道から九州まで全国31カ所にキャンパスを持ち、「進学/理系進学」「教養」「個別」「Web」の4コースを設ける。硬式野球部は今年4月に茨城県高野連に加盟が認められ、今夏に1年生15人の部員で公式戦初出場。本校の所在地は茨城県筑西市折本895。栗山潔校長。
◆四谷学院(予備校) 1974(昭49)に創立され、大学受験予備校、個別指導塾を全国展開し、教材の出版、販売も行っている。大学受験予備校では「だれでも才能をもっている」を教育理念に掲げ、「ダブル教育」(科目別能力別授業と55段階個別指導)を用いて、生徒の志望校合格をサポート。売上高は156億円(25年3月期)。従業員800人。本部は東京都新宿区四ツ谷1の10。植野治彦理事長。

