現役時代は阪神一筋22年、4番や代打の神様で活躍した日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(55)が試合をチェック。延長11回の激闘制した阪神の戦いを分析しました。もっと楽な展開に持ち込めたのではという反省点や、今後により期待を抱かせた明るい材料、見えてきた藤川采配の特徴などについて指摘しました。【聞き手=松井清員】
阪神は延長戦の激闘を制しましたが、もっと展開を楽にできていたかも知れません。序盤痛かったのは1点を追う2回無死二、三塁、三塁走者前川の走塁死です。木浪の三直に飛び出して併殺になり、好機が2死二塁にしぼみました。ライナーでも絶対戻れる位置にいないといけないし、想定はできていたのか。あの場面で一番やってはいけない凡ミスです。その後近本の適時打などで何とか同点にしましたが、立ち上がり不安定だった吉村に一気にたたみかけられた場面で、1点だけでは寂しい。大いに反省しないといけません。
より期待を抱かせた明るい材料は2回完全投球の門別です。2番手でしたが、自信に満ちた堂々のマウンドさばきが光りました。昨年に比べて真っすぐと変化球の質がよくなって何でもストライクが取れ、打者は球種をしぼりづらい。追い込んでからは落ちる系、逃げる系の球もある。サンタナ、村上、オスナの中軸に自分のスイングをさせなかったように、打者目線で見てもとても嫌な投手に成長しています。ローテを十分担えるでしょうし、先発復帰する次回も楽しみです。
開幕15試合を終え、藤川采配の特徴も見えてきました。4番は森下を育てていくのかと思いましたが、大山や佐藤輝にも打たせました。みんな特別良くも悪くもない中で、この時期で4番を3人に打たせるのは珍しいケースです。不振とみれば原口や西勇らに再調整を命じたり、この日も再昇格したばかりのゲラを途中で代えたりと、実績にとらわれず、結果重視の起用が見て取れます。ダメなら落とされるメジャーを経験した監督ならではの信賞必罰方式。公式戦が始まらないと分からなかった部分ですが、選手には非常に分かりやすい方針だと思います。ピンチで新人の工藤を起用したり、序盤ということでいろんなことを試しているのかも知れません。僕自身も興味深く、藤川采配に注目していきたいと思います。(日刊スポーツ評論家)




