西武もソフトバンクも開幕から一進一退の戦いが続く。迎えた初戦はエース対決。両エースの力量から、打力勝負というよりも、ディフェンス力、走力という総合力での僅差の勝負と予想していた。
こういう時、本来の力を発揮すればソフトバンクに分がありそうなのだが、今のチーム事情がそのまま出てしまう。失点した3回、2死三塁で広瀬隆が源田の二ゴロをジャッグルするタイムリーエラー。
直前の西川の二ゴロも、確実に行こうとするあまり、あわや内野安打という危うさだった。広瀬隆に確実にの意識が強いあまり、丁寧さが裏目に出た場面で、こういうところにソフトバンクが苦しむ要因が見える。
例年、圧倒的な戦力で相手をなぎ倒してきたが、故障者が連続すると、個に頼った戦い方はできない。チームの根幹を成してきた強固なディフェンス力でしのぐしかない。その屋台骨が揺らいでいる。圧倒的な丁寧さと確実さで、ほぼ完璧にアウトを奪えることが、これまでの本当の強さだったことがよく分かる。
攻撃面では8回、数度セーフティーの構えを見せ好投する今井を揺さぶろうとしたが、やるならもっと早い段階から仕掛けるべきだろう。そういうところでも、まだまだ本来の強さとはほど遠い。
対して3位に浮上してきた西武も、いまだに圧倒的な投手力で試合を作るしかないのが現状。エース今井が8回を無安打1失点とレアケースでしのぎつつ、見事に試合を作った。
こうなると、打線が援護できるか、好投今井を見殺しにするか、このつらい二択しか今の西武には見えないのだが、ベンチはきめ細かい采配を貫いたことが光った。犠打を多用して、何とかして得点しようと、そこは一貫していた。
7回表に無安打で同点とされたが、ここで踏ん張り、その裏に勝ち越しを呼び込んだのも、今井の力投に尽きる。貧打克服が西武の大きな課題であり、今後も投手力を前面に、最少失点で食らい付く試合展開が、今の西武には現実的だ。
6回に二塁走者外崎が、何でもない場面でリードから帰塁が遅れて刺される場面など、もろさも見られた。反対にネビンは2回無死二塁で完全に有原のモーションを盗んで好スタートを切った。結果、進塁打を意識した外崎が打ち、盗塁とはならなかったが、相手バッテリーの油断を見逃さないところは、いい兆しに感じる。
両チームに言えることは、万全でない時は小さいことの積み重ねでしか白星はつかめないということだ。細かいところでいくつも流れを左右するプレーが、散見される試合だった。(日刊スポーツ評論家)




