今季はまだ1勝しか挙げていなかった小島が、8回を投げて3失点。今季2勝目を挙げた。勝因は打てないはずの打線が2日連続で奮起し、序盤の3回までで6得点。先発した小島を援護した打線だが「たまたま大量得点して勝った」というだけで終わらせてはいけない試合だった。
立ち上がりの小島のピッチングを見て、思うように勝てない投手の症状が出ていた。打線の援護が期待できないと、先発投手というのはどうしても慎重になりすぎる。際どいコースに投げようとするため、ボールが先行したり、カウントが悪くなってしまう。キレと制球力で勝負しなければいけない小島にとっての「敗戦パターン」と言ってもいいだろう。
実際、初回は打者6人に対して3打席で初球がボール。2回も打者3人対して2打席が初球ボールだった。ところが味方打線がリードを奪った3回以降、打者23人に対して、初球がボールになったのは西川、ネビン、児玉の1打席と中村剛の2打席だけ。持ち味を発揮できていた。
小島という左腕は、ピシャリと抑える本格派投手ではない。打たせて取るタイプで、7回までを3失点ぐらいで試合を作れれば「役目を果たした」という投手だろう。
打線が打てないのだから、投手が打たれてはいけないと思い過ぎると持ち味はなくなる。こういうときは「2、3点ぐらい取られてもいいから7回ぐらいは投げよう」と思うぐらいの気持ちでいい。低めなら低めでコースに投げ分けようとしたり、コースを意識しすぎて高めにいかないように投げればいい。ギリギリのコースを狙ってカウントを悪くして、苦し紛れの勝負をするより、失点は少なくなると思う。
もちろん、反省はある。2本塁打された渡部聖には、いずれもカウント2-1からだった。1本目のホームランは失投だったと片付けてもいいが、2本目も同じカウント。渡部聖の打ち方を見ても真っすぐを待っていて、入ってくるスライダーに自然と対応していた。バッテリーとしては、前の打席で真っすぐを打たれたから変化球という単純な選択にみえた。
昨年、打てないで最下位だった西武は、今季は持ち前の投手力を生かして首位を争っている。ロッテも、打てないなら打てないでも勝てるような試合を少しでも増やしていく戦術を考えなければいけない。今試合の小島のようなピッチングが立ち上がりからできれば、劇的に勝ち星が増えなくても、もっと勝てる試合は増えるはず。勝つためにどうすればいいのか? 個々の選手が考えて戦ってほしい。(日刊スポーツ評論家)




