勝負を分けたのは7回だった。1点リードの巨人が、1死から先発のグリフィンに代打を送らず、そのまま打席に送った。
守りを考え、ここまで1失点の左腕に7回裏のマウンドを託すということ。リードしているし、この選択にどちらが正解か、答えは出せない。しかし、ピンチを迎えたときにどうするのか? そこが問題だった。
球数は91球だった。グリフィンはここ数試合、100球以内でマウンドから降りている。球も浮き気味になっていた。中日打線は7番の下位打線から始まるが、走者を出して9番の先発・高橋宏まで打順が回ってくれば、当然、代打が送られる。そこでどうするのかが、ポイントだった。
1死二塁で代打は左の高橋周だった。グリフィンは今試合前までの左右の被打率は左打者に1割5分2厘で、右打者は1割5分4厘だった。そして高橋周は左投手に対して打率1割5分8厘で、右投手は2割2分8厘。この数字を見て左投手に左打者の代打を送る要因は何か? 代打の切り札として左右に関係なく高橋周を起用したのかもしれないが、おそらく右打者を代打に出してグリフィンを交代されるのが嫌だったからだと思う。結果的にも中日の代打策は大成功し、高橋周が同点となるツーベースを放った。
継投するときによくあるのが、左の先発・グリフィンがイニング途中で交代するときは右打者の時と決めていたのかもしれない。しかし今の中日で一番、嫌な打者は1番の左打者・上林だろう。左のリリーフが準備していないわけはない。グリィンで抑えられるという判断が、裏目に出たということだろう。
それでもふに落ちないのは、4回でサードの中山に代えて門脇を出したところ。チャンスで凡退した中山を代えただけかもしれないが、勝ち越した直後であり、守備のいい門脇を起用したのだと思った。せっかくスタメンで起用したのだから少し早いと感じたが、野手の起用で守りを重視したならば、勝ちパターンの積極的な継投策でよかった。
中日にしても序盤の2回でスクイズで得点したのなら、1点をリードされた4回無死二塁の石川昂のところで送りバントでよかった。初球のファウルを見て、進塁打のサインが出ている可能性もあるが、中途半端な作戦に見えた。得点力のないチームなのだから小技を重視するのならしっかりと送るべきだし、攻撃力の底上げを狙って打たせるのなら序盤のスクイズは消極的に思えた。
巨人の最大のアドバンテージはリリーフ陣。中日の課題はどうやって得点をあげていくか。お互い、ちぐはぐな戦いぶりに思えてしまった。(日刊スポーツ評論家)




