監督を経験してきた身として「継投」の難しさはイヤというほど味わってきた。おそらく藤川監督の心境を察するに、うまくいかないもどかしさが、継投の迷いにつながっているのではないだろうか。
投手力で勝ってきた阪神が、これだけ終盤にひっくり返される試合が続いたのは、ここ数年見たことがない。それだけ手ごわいリリーフがそろっていたからで、勝ちパターンが確立されていた証拠だった。
ここにきて石井に続いて、同じ右の湯浅も戦線離脱した。それが阪神の勝ちパターンの継投をさらに難解にした。このロッテ戦も7回に才木が3点を奪われてリードを守れなかった。ベンチが継投を決断できた場面はあるにはあった。
7回。安田、藤岡の連打と犠打で、1死二、三塁になった。8番高部のライナー性の打球が才木の右手付近を直撃するが、三塁走者・安田が三本間に挟まれてアウトになった。この時点で阪神ベンチとしては才木の交代が考えられた。
そして2死二、三塁、代打角中にピッチャー強襲のヒットで追いつかれた。1-1の同点で藤原を迎えるが、ここで才木からのスイッチの選択ができたはずだ。それが続投で藤原に勝ち越しの2点打を浴びてしまった。
もちろんエース格の才木を代えづらい。だが5月27日のDeNA戦(倉敷)で、まだ0対0の展開だったのに、7回途中で才木から及川にスイッチしたのには少し驚いた。それだけ藤川監督は早めの継投を決断する印象が強かった。
チームが好転しているときは、頭に継投リレーが浮かんでは、うまくはまっていくこともあった。だが逆に負けが込んでくると、どこかでためらってしまうものだ。そこに継投の難しさがある。セ・リーグの他球団が負けている間に建て直したい。(日刊スポーツ評論家)




