巨人が新人竹丸の好投とキャベッジ、ダルベックの1発攻勢で勝った。素晴らしいスタートだが、あえて2つの要素に触れたい。
まず、新人投手の開幕戦勝利。竹丸の働きは秀逸だった。ピッチングの基本はストライク先行で勝負すること。これはWBCで骨身に染みて多くのファンが感じたことだ。初球ボールと、ストライクでは雲泥の差。その後の組み立て、投手心理に大きく影響する。
竹丸は22打者と対して、初球ストライクは77%にあたる17人。また、2球目までにストライクを奪ったのは95%にあたる21人。いかに中身のあるピッチングをしたかが分かる。あとは変化球を低めに、プラス緩急をつけ強力な阪神打線を抑えた。
それを新人が、開幕戦で、しかも王者阪神相手にやってのけた。社会人出身とは言え、十分過ぎる。満点のピッチングだった。山崎が出遅れ、戸郷も不調を脱していない大ピンチの中、竹丸好投は大きな収穫。
その新人を、キャベッジと、ダルベックの1発攻勢で援護したのだが、中でもキャベッジの先頭打者ホームランの直後に、11球粘って四球で出塁した松本の粘りに注目した。5球連続でカットするなど、何とかしようとする意欲が全身に表れていた。ダルベックの併殺打の間に貴重な2点目のホームを踏む。この2点目が本当に大きかった。
ただし、やはり反省材料もここは厳しく指摘しておきたい。8回1死、一塁にキャベッジを置いて、カウント1ボールからの2球目、松本はバントの構えから内角よりのボールにバットを引く。遅れ気味にスタートしていたキャベッジは余裕の盗塁死に終わった。
松本は右打者で、キャベッジのスタートも視界に入る。サインは送りバントで、キャベッジは単独で盗塁を試みたとみられるが、スタートの遅れをアシストする意味でも、ファウルにするなり、あるいはバントできないコースではなかったのだからバントして二塁への進塁を援護するだけの判断力が欲しかった。
2点リードで8回裏とはいえ、まだ巨人のリリーフ陣を考えた時は、万全とは言えない。確実に得点圏に送り、後続につなげる意識があれば、もっと相手がいやがる攻撃ができるはずだ。
勝ったから良かったではなく、2番松本とすればさらに細かく、深く、状況を踏まえて対応する柔軟さを突き詰めてほしい。(日刊スポーツ評論家)




