ソフトバンクと並んで優勝候補の一角に挙げられていた日本ハムが、最下位に低迷している。この日の西武戦では、延長戦を制して勝つには勝ったが、思うように力が発揮できないチーム状況を象徴するような試合になった。

破壊力のある攻撃力が影を潜め、思い切り振ったスイングが雑に見えるような空振りが目立った。結果を見ても11回までで15三振。三振が多すぎるのも気になるが、その中で特に問題になるのは、3球三振が4個もあったことだろう。

まず、2ストライクに追い込まれた打者と相手バッテリーの心理を考えてほしい。バッターは三振しないように気を付ける。ギリギリのコースにはバットを出さなければいけないし、際どいコースはファウルで逃げるイメージが必要になる。フェアゾーンに打球を飛ばしてヒット狙いというより、ボールを見逃してカウントを整えることが優先する。

ピッチャーは絶対に甘くならないように投げる。キャッチャーも甘くなりにくい球種を選択するだろう。そして球審の心理も加わる。「2ストライクならボールゾーンに投げるだろう」という心理だ。際どいコースはボールと判定されやすい側面がある。

そんな中、清宮とカストロはワンバウンドした変化球を空振りし、マルティネスもワンバウンドと高めの釣り球をフルスイングして空振りしている。少しでも状況による心理を考えていれば、4個の3球三振はなかったと思う。

こうした現象が、雑なイメージを増幅させるのだろう。三振以外でも、相手バッテリーが有利なカウントから強引なスイングが目についた。別にホームランによる得点がダメな訳ではない。しかしどんな状況でもホームランを狙ってスイングすれば、相手バッテリーの思うつぼで、楽にしてしまう。追い込まれるまで長打力のある打者がフルスイングするのは賛成だが、せめて2ストライクぐらいは考えてスイングしてほしい。

日本ハムの本塁打数は12球団で断トツ。得点力も12球団トップで、破壊力のある打撃は相手の脅威にもなる。ホームランによる得点は能力の証しで、評価されていい。しかし、強引にホームランを狙いすぎれば今試合のように三振が多くなり、敗戦のリスクも高くなる。実際、今試合までの10試合でホームランは2本しか出ていない。なんとか勝ったが、優勝候補でありながら、最下位まで落ち込んでいる原因だと思う。(日刊スポーツ評論家)

西武対日本ハム 10回表、好機をつくるも無得点に終わりさえない表情の日本ハム新庄剛志監督(撮影・垰建太)
西武対日本ハム 10回表、好機をつくるも無得点に終わりさえない表情の日本ハム新庄剛志監督(撮影・垰建太)