8日の神宮球場。広島の打撃練習中に、ワイシャツを着た職員がグラブを持って守備についた。場所はバックスクリーン左の「コカ・コーラ」の電飾看板の前だ。打席には、バティスタがいた。何でも3連戦初戦にこの看板に打球を当て、一部を破壊。直撃を阻止しようと、守りを固めたということらしい。看板までの距離は推定140メートル。だが結局それ以降の直撃はなく、バティ砲の練習が終わると引き揚げていった。

 神宮にはノウハウがあった。バレンティンだ。13年に日本新記録の60発。当時を取材した浜本記者によると、「コカ・コーラを守るバレンティン・シフトは当時生まれた」と言う。偶然にもバティスタは支配下登録された際に「バレンティン選手のようになりたい」と言っていた。実績はまだまだ遠く及ばないが、意外なところで肩を並べた。

 バティスタの飛距離は折り紙付きだ。高ヘッドコーチは「センターに飛ばすからすごい」と評価する。ちなみに目撃した飛ばし屋では「ヤングが一番かな」と90年に来日し「ポスト山本浩二」として期待された助っ人を挙げた。「でも騒がれたけど開幕したら全然だった。バティもこれからが大事」。ヤングか、バレか。今後に期待したい。【広島担当=池本泰尚】