出会いとは、不思議なものである。つくづく、そう感じる。

 楽天は毎年、沖縄・久米島で春季キャンプを行う。1軍の本拠地は、久米島野球場。雨天時は、隣接するホタルドームという室内練習場でトレーニングを行う。2軍はそこから車で20分ほどの距離にある仲里球場。1軍が2次キャンプ地の沖縄・金武町に移動すると、2軍が久米島野球場に舞台を移す。と、同時に社会人野球のチームも久米島にキャンプインする。

 15年ドラフト6位で入団した捕手の足立もその1人。パナソニック時代、久米島でキャンプを行っていたという。「自分たちがホタルドームにいて、2軍の方がメーンの久米島野球場を使うような感じでした」と、多くのプロ野球選手とすれ違っていた。だが、あくまで自分は社会人野球の選手という意識が強かった。「自分がプロになれると思っていなかった」と、自分とは関係のないものと感じていた。

 だが、運命とは不思議なものだ。ドラフトで楽天に指名され、またしても久米島に来ることになる。「まさか、また久米島に来るとは思ってもいなかったですよ」。感謝と驚きを感じながら、今日もトレーニングに励んでいる。【楽天担当=栗田尚樹】