指揮官自ら切り出した。交流戦ソフトバンク第3戦が行われるヤフオクドームでのこと。DeNAアレックス・ラミレス監督は「ここでの私の成績をご存じの方はいらっしゃいますか?」。就任3年目。敵地でのソフトバンク戦は2年ぶりだった。一昨年は3戦全敗。昨季の日本シリーズでは、敵地で3試合やってやはり1度も勝てなかった。今季も2連敗で迎えた3戦目。8戦勝ちなしのラミレス監督は勝負手に出た。

 「ベストで勝てないのであれば、若い選手を使うしかない」。スタメン5人入れ替える大胆策。ルーキー2人を含む若い面々が名を連ねた。平均年齢はソフトバンクと比べ5歳若いラインアップ。チームは競り負けたが、抜てきの5人は全員安打で応えた。うまくいかないときにチャンスの少ない若い力を積極起用することは、打開するための選択肢の1つ。何よりチームに刺激が入る。

 もうすぐ、ロシアでサッカーW杯が始まる。日本代表に停滞感が漂っているが、ここから西野監督がどんな策を講じるのか、そして誰がヒーローになるのか。結果にたどり着くまでの過程は、4年前とは違った味わい方がある。ラミレス監督自身、ヤフオク9連敗という鬼門突破はお預けとなった。リベンジの舞台は2年連続で日本シリーズとなるのか。それまでにチームはどんな変貌を遂げていくのか。そのカギは采配1つ1つにつまっている。【DeNA担当 栗田成芳】