<広島10-0ヤクルト>◇26日◇マツダスタジアム

3連覇の主軸として活躍した広島丸の両親が、息子を祝福した。千葉・勝浦市内で理髪店「カットサロンまる」を経営。カープファンも遠くから訪れる有名店だ。父浩二さん(55)は「本当に良かったです。チームが勝つから楽しみだった。負けていても、いつか逆転すると期待がずっとありました」と喜んだ。

丸は小3からソフトボールを始めた。強烈なスイングの原点は、長さ4メートルほどの「青竹素振り」だった。98年にデビューした巨人高橋由伸外野手(現監督)からヒントを得た。浩二さんが懐かしむ。

「テレビで長い竹を振って練習していたのを見てね。そしたら、息子がたまたま学校に4メートルくらいのを見つけて。ある日突然、持って帰ってきた。教頭先生にお願いしたみたい」

かなりの重量。浩二さんは3年生には振れないと思った。「手だけで振ると、竹の先が地面に着く。でも体全部で振ると回る。できた時は喜んでましたね」。その訓練は数カ月続いた。

母利栄さん(52)は体の無事を祈る。連絡する時には「調子どう?」「頑張ってね」といった言葉を避ける。「頑張ってないみたいじゃないかと、怒られるんです」。節目の記念球は実家にわずかしかない。「過去のことだから。あの子は先しか見ていないんですよ」と話した。