3年連続日本一を目指すソフトバンクが1月31日、春季キャンプ地の宮崎に入った。到着後、宿舎に隣接するコンベンションホールで「全体ミーティング」が行われた。タクトを振って5年目となる工藤監督が演壇でリーグV奪回と日本シリーズV3への熱き思いを語ったのだろう。会場には王球団会長の姿もあった。約30分のミーティングが終了すると、王球団会長は真っ先に出てきた。

「今のウチの選手たちはすごいよね。先輩たちの姿を見ていれば成長できるんだからね。こちらが言わなくてもしっかりやってくれるからね」。

王球団会長は満足げな表情でそう切り出した。今季、ホークスは「福岡移転30周年」を迎えた。弱小と呼ばれたチームを何とか強くしたい-。そんな思いで「世界の王」を九州の地まで呼んでからもう四半世紀がたとうとしている。王ホークス1年目のキャンプは豪州ゴールドコーストだった。この日と同じように、キャンプインを控え、王監督は全体ミーティングを招集。王監督がチームに伝えたのはJ・F・ケネディ元米大統領の言葉を引用したものだった。

「チームが何をしてくれるかではなく、自分がチームにとって何ができるか-」

王球団会長は遠い昔を思い出すように言った。「そうだったね。もちろん、選手も自分のためにというのはあるけども、まずはフォア・ザ・チームだからね。メジャーでもそうだから。toWinだからね」。西武からFA移籍した工藤投手(監督)も、熱き指揮官の言葉に耳を傾けていた。ホークスの親会社も変わったが「常勝」の道は年ごとに太く続いている。2月1日はプロ野球界にとっての「元日」。また心地よい球音が響き始める。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

ナインを前にミーティングする工藤監督(撮影・今浪浩三)
ナインを前にミーティングする工藤監督(撮影・今浪浩三)