休日返上でキャッチボールを行い、笑顔を見せる阪神斎藤(撮影・前田充)
休日返上でキャッチボールを行い、笑顔を見せる阪神斎藤(撮影・前田充)

1匹のシーサーに個性があふれていた。

2月4日、ドラフト4位の斎藤友貴哉投手(24=ホンダ)が初めてのキャンプ休日を迎え、沖縄・宜野座村の「道の駅 ぎのざ」でシーサーの色付け体験をした時のことだった。

ドラフト1位の近本は金色を選び、しっかり塗れているか確認しながら…。ドラフト3位の木浪は銀色でゆっくり丁寧に…。その横で斎藤は、金と黒を容器の上でぐりぐりと混ぜ始めた。「黒が中から光るイメージで」と笑うと、ためらう様子もなくダイナミックに色つけに取りかかった。

完成したのは胴体が黒、しっぽと足が金色で、赤い目をした少しこわもてのシーサー。「1つだけ違うので、光ってます!」と満足げな様子。「3人の中で誰が一番?」と聞かれると、自分のシーサーを自信たっぷりに何度も指さした。ホンダでともにプレーしていた木浪は「らしいなと思います。付き合いが長いので、人と違うようなことばっかりする」も笑顔で斎藤の個性を認めていた。

周りに流されず、自分を貫く姿はどこでも同じだった。2日のブルペンで斎藤は31球を投球。隣には藤浪の姿、報道陣や多くのファンも囲むなか、動じる様子は一切なかった。視察した他球団のスコアラーは「強心臓だね。あの場で笑顔もあるし。強い心臓を持っているし、いい投げっぷりをしている」と舌を巻いた。

完成したシーサーは「番犬にします!」とのこと。強い心と強気のピッチングで、目指すはトラの守護神だ。【阪神担当 磯綾乃】

外野でノックを受ける斎藤(撮影・前田充)
外野でノックを受ける斎藤(撮影・前田充)