戦力外通告を受けた幸山さん(2018年10月4日撮影)
戦力外通告を受けた幸山さん(2018年10月4日撮影)

開幕1軍入りへ競争が激化する3月、昨季限りで引退した元ソフトバンク育成選手の幸山一大(こうやま・かずひろ)さん(22)の元へうれしい合格通知が届いた。

受験していた国学院大に合格した。実家の富山県で知らせを受けた幸山さんは「うれしいですね。僕が第1号らしいです」と喜んだ。日本プロ野球選手会と国学院大が共同で2年前から、セカンドキャリアとして高卒選手で引退した選手を対象に募集している。幸山さんは「僕も引退する時に書類が入っていたんです。今から勉強するのが大変だとみんな思ってだれも受けてなかったんですかね」と話した。試験は小論文と面接だった。

日本プロ野球選手会の担当者は「大学生として学んでもらって、一般社会に出てほしい」と話す。大学側も受け入れ態勢はできている。幸山さんは国学院大の人間開発学部で4年間学ぶ。「1年生として普通に勉強します。先生になれるように。楽しいキャンパスライフといっても、僕が第1号なので、あまりふざけられないですね」。自身がしっかり学ぶことで、来年以降も自分と同じような道を引退した高卒選手が選べるようにという責任感を持っている。

ソフトバンクの4年間、育成選手としてプレーしていた。幸山さんは「やっぱりこの時期はウズウズしますし、ホークスのことは気になりますね。もうサークルでも野球はやらないと思いますが」と笑った。今月中に神奈川県に引っ越しし、新しい生活が始まる。高校野球の監督への道のりは遠いが、応援したい。【ソフトバンク担当 石橋隆雄】

元ソフトバンク幸山一大さん(2017年2月23日撮影)
元ソフトバンク幸山一大さん(2017年2月23日撮影)