昨年12月にソフトバンク日本一旅行でハワイ出張に行ったばかりだが、ちょうど1カ月がたち今度はグアムにやってきた。自主トレ取材のための出張だ。

今回の取材にあたり自主トレメンバーを見ながら、ふと感じたことがあった。ソフトバンクは野手勢を率いるのが松田宣浩内野手(36)。投手では森唯斗投手(28)がこちらを拠点にしている。いずれにも共通しているのが、球界屈指の「鉄人」という点だ。松田宣は昨季まで5年連続で全試合に出場しており、パ・リーグの三塁手としては史上最長の記録を持つ。森は入団1年目から6年連続で50試合以上に登板している驚異の鉄腕だ。

グアムには長寿の秘密があるのかもしれない。今年は松田宣に師事した牧原も「どうしてあんなに元気なのか。秘けつを知りたい」と日本を旅立った。ホークスではかつては40歳で引退した秋山幸二氏や40歳を超えても現役だった松中信彦氏がグアムで鍛えた。その系譜を継いでいるのが松田宣だ。森をグアムに導いたのも、36歳まで第一線で投げ続けた摂津正氏だった。他球団にももちろん、息の長い選手はいるし、最も象徴的な存在としてはサッカーのカズこと横浜FC三浦知良がグアム自主トレを行っている。

いざグアムに来てみると、想像以上の気候の良さに驚かされた。朝夕は涼しくて過ごしやすいが、日中は太陽が照りつけひりひりするほど暑い。それでいて、湿度はそこまで高くなく、時おり吹く風が気持ちよく感じられる。1月の日本は冷え込む日が多く、それに比べれば、故障の心配なく思い切り体を動かせる点は大きなメリットだろう。

どことなくゆったりしているような時間の流れも、魅力的だ。ホテルで朝7時からとされている朝食会場に行ってみると、7時からビュッフェの料理が準備されはじめた。約15分後に食べ始めることができたが、どうやらこれが通常営業のようだ。(逆もしかりで、お店によっては閉店時間やラストオーダーを少し過ぎても大目に見てくれたりもする)。時間にとらわれない環境でのびのびと過ごすことも、選手寿命に影響しているかもしれない、と勝手に想像した。

これから「鉄人」たちの練習取材に出向き、さらにグアムの魅力に迫ってみたい。【ソフトバンク担当=山本大地】