引き締まったボディーに、さらなる闘志を蓄えて、宮崎キャンプに乗り込んできた。ソフトバンク甲斐拓也捕手(27)は、これまで以上の責任感と使命感を胸にシーズンに臨む。

「目標というのは年々、高くなってきています。ほんとうれしいことですし、楽しみなんです」。沖縄自主トレで体を絞り込んだ。昨年のキャンプインは87キロで迎えたが、今年は6キロ減の81キロ。シャープな姿で軽快に動いている。

偉大な先輩の背番号を継承した。南海ホークスのOB野村克也氏が背負った「19」を今季から背負う。令和新時代は甲斐の代名詞とするつもりだ。「自分でも違和感はないですね。似合ってますか?」。背中に誰かの視線を感じると、ついつい笑みがこぼれる。育成入団から初めて手にした「62」の背番号にも愛着はあったが、レジェンドナンバー継承にさらなる成長を誓う。

「今年は(捕手として)守備率、盗塁阻止率、そしてチームを優勝させることですかね」。甲斐は捕手としての「3冠」を今季の目標に掲げた。「もちろん、チーム防御率を上げることも大事です。でも、防御率が一番になっても、優勝できないことがある。去年もそうだったし、だから3つめは『チームを優勝させること』です」。ミットも2個、新調した。「しっかり新しいミットも使えるようにしないと」。有終の秋の前には世界的イベント、東京オリンピック(五輪)がある。「五輪ももちろん、出たいですし、ほんと目標が高くなることが楽しいんです」。育成からはい上がった男は、10年目の飛躍を目指している。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

南海・野村克也
南海・野村克也